思い出した頃に綴る「花と暮らし」 今月9月は「ナンキンハゼ」
仕入れたときはグリーンでしたが、ブラックに変わりました。スモークがかったガラスのフラワーベースに似合いそうだな~と思い飾ってみました。
ガラスが好きです。吹きガラスだったり、切子も大好きです。20年前から使っているものもあり、すこしづつ集めたもの。どれも大好きです。
まだ10代の頃。スーパーである商品をみて「~風という風の意味はわかるか?」と父に聞かれました。どのように答えたか覚えていませんが、その後父から教わった~風の意味を、今でも時々思い出します。
風というのは、本物に似せて作っていることで、その風を商品にするのには、多くの人間が研究に研究を重ね、こうしてスーパーで販売されている。それまでには沢山の時間と多くの人たちが携わっているのだという内容でした。多くのことを今まで教えてもらいましたが、この説明には結構力が入っていて、今でも鮮明に覚えています。
世の中に存在するジャンルに近づけるように、時間をかけて花材を選び、花の色や花の姿、その花の持つオーラや相性。葉物の形や微妙な色とイメージ。でも花選びだけでなく、花達を受けてくれる器や小物。そういった物に、ものすごく助けられることがあります。
休みなく花を育てている生産者さん。拭きガラス工場で働く方々やデザイナーさん。多くの方々がいて、アレンジメントが成立するのだな~としみじみ想います。
父の言いたかったことは、ひょっとしてこんなことだったのかもしれないと、写真を撮りながら思ったのでした。 kumin